物忘れ外来について
認知症による物忘れと年齢による物忘れに違いはありますか?
年齢による物忘れは、体験の一部を忘れるのですが、認知症による物忘れは体験全体を忘れます。例えば、1週間前に旅行した場合に、旅行先の観光地の名前を忘れるのは年齢によるもので、認知症の場合には旅行自体を忘れてしまうといったことです。さらに年齢によるものはヒントを与えられると思いだせることが多く、認知症によるものは思い出せないことが多いです。
認知症の原因となる病気にどんなものがありますか?
本来認知症は状態を表す用語であり、様々な病気が原因となります。変性疾患(脳の特定の神経細胞が徐々に死んでいく病気)、脳血管障害(脳梗塞など)、感染症、内分泌性疾患(ホルモンの病気)、頭部外傷などにより認知症となります。代表的な認知症の原因となる病気を多い順に以下に示します。
1.アルツハイマー病
全体の半数以上を占めます。
2.血管性認知症
脳梗塞や脳出血など脳の血管が原因の認知症で、本邦では二番目に多い認知症です。
3.レビー小体型認知症
パーキンソン病を伴っている認知症で、幻視(見えないものが見える)が出現しやすいことも特徴的です。
4.前頭側頭型認知症
比較的稀ですが、物忘れより性格の変化が初期より出現するのが特徴です。
最近は(1)から(4)を四大認知症疾患として、全体の9割を占めているという状況です。
まだら認知症とは何ですか?
認知機能が全体的に低下するのではなく、低下する機能とそうでない機能の差が目立つ場合のことです。
例えば、理解力の低下は目立つが、記憶力は比較的よく保たれているといった事です。血管認知症に比較的多くみられる症状です。時間帯によって良い時と悪いときがあるという意味ではありません。