うつ病
生命の危険を伴う(自殺)、うつ病についてお話させて下さい。うつ病はどんな状況で起こるでしょうか?
「入学、入社、昇進」→このような試験等で長時間の重圧と先々の不安、葛藤がある中で、身体の中では、交感神経と副交感神経が乱れ、通常より多量のホルモンが血液中に流れ出てしまいます。
イライラ、動悸、めまいといった症状です。人によっては、心身症と同時に出てきます。
髪の毛が抜ける人もいます。また、アトピー性皮膚炎を出す人も多いようです。
受験勉強中の学生さんの場合はさまざまな重圧があるために、人によってはありえない行動を出すこともあります。本屋で万引きをしたり、お風呂場をのぞいたり、逮捕されることもあります。将来の人生に暗い影を残してしまいます。
うつ病にかかると軽症であっても、集中力が低下します。職場で仕事の能率が低下します。そのために専門医の受診が必要になるのです。もし、家族の中で誰かが、急に食欲が低下したり、口数が少なくなった場合、その悩みに早く気付いてあげましょう。
高齢者の介護をしている主婦がその疲労により、うつ病になるケースが増加しています。
家族は、その親の介護の世話の分担を割りふってあげる必要が出てきます。主婦の負担を少なくする事で、自殺防止になります。待っても待っても帰宅しない浮気の疑いのある夫や、いつまで続くかわからない介護に疲れて自殺する人が増えています。
小生が最近出版した「心の痛み解消法((株)ロングセラーズ社)」にその解消方法を説明しました。家族の自殺防止や子供の接し方等、日常生じる心の病のお話です。
自殺する人達の多くが、心の病にかかっているという事を知らないで実行しているということが大きな問題なのであります。
Q&A
Q.うつ病になると、どんな症状があらわれますか?
A.うつ病は最近、気分障害または感情障害とよばれるようになりました。うつ病になると、その名にふさわしい特有の気分の変化がおこります。次にあげてみましょう。
・考えることが悲観的・否定的になります
くよくよと取り越し苦労をするようになり、将来に対して悲観的な見方がふえてきます。また過去のことを「ああすればよかった、こうすればよかった」と、後悔することが多くなります。身近な出来事に対しても悲観的な見方が強くなって、「もうだめだ」とか「うまくいくはずがない」という気持ちになりがちです。
・気分は鉛色になります
うつ病はうっとうしくて重い気分が特徴で、晴れやかな気分を忘れてしまいます。
・楽しい、おもしろいという感じがなくなります
テレビを見ても新聞を読んでも興味がもてず、楽しい、おもしろいという感情がなくなって、これまであった物事への関心も減ってしまいます。
・自分を責める気持ちが強くなります
責任が全部自分にあるように感じてしまい、自己評価が下がることもあって自分を責めるようになります。
・自殺願望がでます
自殺まで考えなくても、「この世から消えたい」と思う人はたくさんいます。自殺衝動はうつ病の症状の1つで、例えば肺炎の発熱のようなものです。うつが治れば、この症状は消えていきます。
Q.なにもする気がなくなるのも、うつ病の症状ですか?
A.うつ病になると、心とからだにブレーキがかかったような状態になります。ちょうどプールに入って歩くような重さが特徴で、からだが重い、疲れやすい、やる気がおこらない、おっくう、面倒といった訴えが多くなります。
また、頭の回転が遅くなった、決断ができない、集中力がなくなった、思考が堂々巡りする、アイディアが浮かばない、記憶力が低下するなどの症状もあらわれます。
Q.うつ病になると、からだにも症状がでるそうですが?
A.うつ病には特有の気分の変化がみられますが、それだけではありません。睡眠障害、食欲の障害、性欲の減退、頭痛などがおこったり、味覚の低下・口腔内の違和感、めまい、汗をかくなどの不定愁訴的な症状に悩まされたりすることがあります。
特に睡眠障害はよくみられる症状で、睡眠の途中で目が覚めたり、朝早くに目が覚めてしまうのが特徴です。夢も多くなり、ぐっすりと眠れなくなってしまいます。睡眠がとれないとうつ病は一層悪化します。