OSAS
(閉塞型睡眠時無呼吸症候群)
OSASの主な原因
・いびきをかくということは?
いびきは、睡眠中に空気の通り道(咽喉(のど))が狭くなり、そこを空気が通るときに のどの壁が振動することによって生じる音です。つまりいびきをかくということは、気道が狭くなっている証拠といえます。
・なぜ気道が狭くなるのか・・・?
健常人でも仰向けで寝ると、重力により舌や軟口蓋が落ち込み、気道が狭くなります。睡眠時は、のどの周囲の筋肉の緊張もゆるみがちになります。
①筋力の低下(加齢)
②舌が重い(肥満)
③顎が後退している、扁桃肥大がある、軟口蓋が長い(形成的問題)
また、④口呼吸をしていると舌が落ち込みやすくなります。
OSASの主な原因
・夜間の症状
いびきがうるさい、呼吸が止まっている、
寝汗をかく、寝相が悪い、
何度もトイレに起きる・・・
OSASには、無呼吸の間いびきが止まり、あえぐような激しい呼吸や大きないびきとともに呼吸が再開するという特徴があります。あえぐような呼吸をするため、寝汗をかいたる寝相が悪くなります。
また、夜中に何度もトイレに起きるなどの症状があります。
・昼間の症状
倦怠感や頭が重い・・・
呼吸が止まっている間は、酸素欠乏状態にあるため起床時に頭の重さを感じることがあります。体を休ませるための睡眠で酸素欠乏状態になるので、全身の倦怠感や不眠につながります。
日中の眠気・・・
OSASは、無呼吸状態から呼吸を再開するたびに脳が覚醒するため睡眠が分裂されます。本人に目が覚めた自覚はないのですが、深い睡眠が得られておらず、きちんと睡眠をとったつもりなのに実は睡眠はこま切れ状態に陥っているのです。
OSASの合併症
米国で、医療保険加入者のOSAS 170万人を対象とした報告では、図のように、
合併症の増加があり、年齢が増加すると循環系疾患(脳卒中、心不全、虚血性心疾患、不整脈)が増加します。※1
OSASになると酸素欠乏状態に陥り、少ない酸素を全身へ送るため心臓や血管に負担がかかります。この状態が長く続きと、さまざまな生活習慣病の合併症を引き起こす可能性があります。心不全患者さんにおいては、76%と高頻度にOSASを合併しているといわれています。
小児のOSASにおいては、特に発育障害が問題となります。
睡眠が妨げられ、睡眠中の成功ホルモンの分泌が不足するためといわれています。
呼吸が止まっていなくても、いびきをかくということは正常な呼吸とはいえないのです。
OSASがもたらす社会的影響
OASAによる日中の眠気のために、交通事故や災害事故を起こす危険性が高くなります。
2003年2月26日に、山陽新幹線の運転手が居眠り運転を起こす事例がありました。その後の検査により運転手がOSASであることが判明し、OSASへの注目が集まるようになりました。
また、生活の質(QOL)を調査した結果、OSAS患者さんのうち軽症から中等症では「活力」が障害されており、重症ではさらに広い項目のQOLが障害されること、また本人のみならずベットパトナーのQOLも障害されることが報告されています。
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