「不潔恐怖症」は日常生活がかなり困難になってしまう。
会社に持っていくカバンを床に置けなくなる。
自分の決まった所定場所にしか置けない。
妻が「おかえりなさい!!」とカバンを持ってあげようとする。
カバンの取っ手に触られることが嫌で、けんかごしに妻の手を振り払う。
妻は不愉快になる。
「夕食にしましょう」と妻は気分を変える。
夫は「そうだなあ～。腹へったな～」と機嫌をなおして妻と会話する。
食事の前に「手を洗ってトイレに行ってくる」と言って、トイレに入り10分経過。妻は！「遅いなあ10分もかかるのかなあ～」と思う。
トイレに行ってみる。水が流れる音がする。
まだ、使用しているのだと思い、台所で夕食の支度を続ける。
「あなた、できました!!」大声で叫ぶ。夫からは応答がない。
妻が、トイレに行ってみる。まだ水が流れる音がしている。トイレに入ってもう25分も過ぎている。
「おかしい、夫がおかしい」妻は一瞬、体から血の気が「さぁ～」と引く感じを受けた。
トイレの扉を開けた。
夫は、手を洗う。水道の栓を閉める。閉めた栓を水をかけて洗っている。洗った栓を触る。また手を洗う。水道の栓を閉める。触った栓を再び水をかけて洗っている。
ただそれだけに25分かかっていたのだ。
妻が栓を閉めてあげて、その場は解決した。
夫が自分のカバンに触られるのが、さっき嫌だった訳がわかった。
「会社で同じことをされると、大騒ぎになって、夫は解雇される」
そう思った妻は、夫と二人で私どものクリニックに訪れた。

「不潔恐怖症」は、今まで生きてきた要因が大きく関係している。
●一流大学に両親が入れたがった。
●小さい時から塾通い、習い事をして時間に追い詰められて生活していた。
●時間から時間に追い詰められる。
タレントさん、アナウンサーさんなど、不潔恐怖症で通院してる人がいる。
●日常生活で、あれもこれもしなくてはならない。早く早くしようと自分を追い詰めてしまう傾向の人は、不潔恐怖症を出しやすい。
●日常生活で、あれもこれも覚えて、成績を重視した生活で少しずつ精神的バランスが崩れてしまう。
そのことで、行動に異変が起こってしまうのである。
不潔恐怖症を出さなくても、確認症で症状を出す人もいる。
人は、ひとりひとり微妙に個人差がある。
「考え方も微妙に違う」「行動も微妙に違う」
そうした微妙な違いは「不潔恐怖症」で出るか？「確認症」で出るか？
違ってくる。

「あの人は精神科、心療内科に通っているんだって？」と陰口を叩く人がいる。
人の陰口を叩く人は80％以上性格異常者である。

この性格異常者は通院しても治りにくいのである。