江東区の心療内科/精神科【浅川クリニック】菊川・森下駅最寄り。うつ病,パニック障害

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浅川クリニック

院長コラム

「こころが疲れたなぁ」
と思ったら読む本③

人生の大ヒット

取り引き先から苦情の電話が入ってくる。
君が誤りに行ってくれ。
心の中で「部長が行けば良いのに…」と思った。
実に嫌な仕事をおおせつかった。

 

でも、嫌な仕事をさせられる時は、大チャンスの前ぶれ。言葉に出して「道を歩きながら大チャンス、大チャンス」部長の嫌な顔を今日は見なくてすむ。
「大チャンス、大チャンス」と言いながら先方に着いた。

 
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電話で怒っていた取り引き先の社長が目の前に現れた。
「部長が来ないでおまえが来たのか?」
「まあいいから座れ」45分間、相手は立て板に水がごとく怒りながらしゃべる。
おそるおそる、今までの流れをメモしていいですか? と尋ね、メモを取りながら時々謝る仕草で頭を下げる。
約1時間半が過ぎた。
相手が「腹がへった。君、昼飯まだだろう」
「飯を食いに行こう」と言った。
大きな声で「ハイ、行きます」と返事。
そばと天丼を食べさせてもらった。
こんなご馳走は東京へ来て初めてだ。嬉しいと言った。
「そうか、うまいか」
「ハイ、うまいです。田舎の父と飯を食っている気分です」と言ったら、カンカンに怒っていたのに、「君、帰りに会社へ寄りなさい。新しく品物をオーダーする伝票を書くから、持って帰って部長に叩きつけてやれ!!」
「本当ですか、僕、生まれて初めて嬉しさが胸の奥でジーンとしています。本当にありがとうございます。」
深々と頭を下げて感謝を伝えた。

 
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半年後、部長に怒られていた彼が昇進したのである。
嫌な仕事が回ってくる時は、大チャンスかもしれないと思って仕事をすれば、丁寧な仕事ができる。

 

彼は、一番先に「昇進が決まった」と報告に行った。
「なぜ、知らせに来たんだ」と言われた。
「東京のおやじさんと思っている」と伝えると、怒りんぼの社長が、初めて笑顔を見せてくれるのであった。

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